一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業)|営業許可申請について

一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業)は、体が不自由な方のための移動手段となる、いわゆる「介護タクシー」を始めるための許可となっています。

ここでは、介護事業との相性のよい一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業)の許可申請について、くわしく解説していきたいと思います。

一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業)をおこなうには

高齢化が進むにつれて、身体が不自由な方の移動をサポートする「介護タクシー」の需要が増えつつあります。

一般的には、「介護タクシー」と呼ばれていますが、正式名称は、一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)となっています。

車両1台からの開業が可能となっているため、介護事業者や一から起業する際には、比較的容易にスタートできる許可となっています。

ですが、許可を取得するためには、いくつかの要件を満たす必要がありますので、申請方法や要件などについて、次から解説していきたいと思います。

許可申請の流れ

おおよその流れとしては、以下の通りとなります。

  1. 管轄運輸局に許可申請(同時に認可運賃許可申請)
  2. 法令試験の受験
    ※役員の方が受験いただく必要があります。
  3. 管轄運輸局での審査
  4. 管轄運輸局での許可決定
  5. 登録免許税の納付の案内(30,000円)
  6. 運行管理者及び整備管理者の選任届出
    ※車両4台以下の場合は必要なし
  7. 車両へナンバー取り付け
  8. 許可決定後1年以内に運輸開始届の提出
  9. 営業開始

許可までの審査期間

一般乗用旅客自動車運送事業の場合、申請が受理された後、申請者に法令試験を受講が義務付けられているため、合格する必要があります。

年6回奇数月に法令試験は実施されていますが、申請が受理された後、2回以内に合格しない場合は申請を取り下げる必要があります。

また、管轄運輸局の審査は2カ月程度ですが、法令試験合格後に審査が開始されるため、許可までには審査期間+法令試験合格までの期間が必要となります。

福祉輸送事業の許可要件

福祉輸送事業の許可の要件は、人、物、場所について要件が定められていますので、ひとつひとつ確認していきましょう。

営業所の要件

営業所は自己所有・賃貸のどちらでも構いませんが、使用権原や法令に違反していないことが必要となります。

自己所有の場合は土地や建物の所有者であることがわかる登記簿謄本、賃貸の場合は、使用目的が店舗や事業用である賃貸契約で使用権原を証明することになります。

また、農地法、都市計画法、建築基準法に違反している土地建物も営業所として使用することができません。

土地の地目が田・畑であるような場合は地目の変更(農地転用許可)が必要となりますし、都市計画法上、営業所としての使用が制限された用途地域にある物件なども営業所にすることができません。

駐車場の要件

原則として営業所に併設していることが必要ですが、併設できない場合は営業所からの距離が5km以内であれば車庫として使用可能です。

車庫の面積については、各車両の前後左右にそれぞれ50cm以上の間隔を確保して駐車できるスペースが必要となります。

また営業所と同じく、農地法や都市計画法など関係法令の違反していないことも必要です。

車庫の前面道路について
車両制限令によって、車庫の全面道路の道幅(幅員)によって、使用できる車両の大きさが制限されています。

前面道路の道幅が6.5m以上であれば、問題ありませんがそれ以下であるような場合は、使用できる車両が制限されますので注意が必要です。

道路管理者から幅員証明を取得して、使用可能な車両の大きさを確認する必要があります。

休憩・睡眠施設

運転者に睡眠を与える必要がある場合には必要となります。

営業所か車庫に隣接しており、乗務員数×2.5㎡以上の広さが必要となります。

車両の要件

車両は1台以上からの申請が可能となります。

車両については、車検証(リース契約の場合はリース契約書、購入する場合には売買契約書)の添付が必要となります。

運転者が、介護関連資格(介護福祉士、訪問介護員など)を持っているかどうかで車両の設備要件が変わってきます。

介護関連資格がない場合
  • 福祉自動車(車いす若しくはストレッチヤーのためのリフト、スロープ、寝台等の特殊な設備を設けた車両が必要となります。
介護関連資格がある場合
  • セダン型などの一般車両
  • 運転者が、介護福祉士、訪問介護員、居宅介護従業者資格、ケア輸送サービス従事者研修修了者のいずれかである必要があります。

運行管理体制

事業を始めるための人の要件となります。

運行管理者、整備管理者、運転者の確保が必要となりますが、申請の時点では採用予定でも問題ありません。

運行管理者

運行管理者は営業所内で事業用車両の安全管理や運転者の指導などを行います。

営業所内での業務となるため、運転者との兼務は認められていませんが、整備管理者との兼務はOKです。

車両が5台以上になる場合は、国家資格である運行管理者資格を取得している者を選任する必要があります。

運行管理者は営業所内で事業用車両の安全管理や運転者の指導などを行うため、運転者との兼務は認められていません。

車営業所ごとの車両数によって選任すべき運行管理者の数も増えていきます。

整備管理者

自動車の点検・整備や車庫の管理を行うため、整備管理者を選任します。

車両が4台以下の場合は、資格要件はありません。

車両が5台以上になる場合は、下記のいずれかの要件を満たす整備管理者が必要です。

  • 整備士の有資格者
  • 実務経験が2年以上で陸運局が行う整備管理者講習を受講した者

運転者

車両数に応じた2種免許を取得している運転者が必要となります。

セダン型などの一般車両を使用する場合は、介護福祉士、訪問介護員、居宅介護従業者資格、ケア輸送サービス従事者研修修了者のいずれかである必要もあります。

運行管理体制 運行管理者 整備管理者 運転者
車両4台以下
  • 資格不要
  • 整備管理者との兼務OK
  • 運転者との兼務不可
  • 資格不要
  • 運行管理者との兼務OK
  • 運転者との兼務OK
  • 二種免許
  • 一般車両の場合は、介護関連資格必要
  • 福祉車両の場合は、介護関連資格不要
  • 車両に応じた人数が必要
車両5台以上
  • 国家資格「運行管理者」資格必要
  • 整備管理者との兼務OK
  • 運転者のと兼務不可
  • 整備士の有資格者(又は実務経験2年以上+整備管理者講習受講者)
  • 運行管理者との兼務OK
  • 運転者との兼務OK

資金計画要件

事業を開始するために必要な資金計画を作成し、必要となる自己資金を確保する必要があります。

また、自己資金があることの証明として、銀行の残高証明を提出する必要がありますが、申請受付日のものと申請受付後の管轄運輸局が指定する日時のものの合計二回提出する必要があります。

このため必要となる自己資金については、許可が下りるまでの審査期間中、ずっと確保しておく必要があります。

資金計画に必要な自己資金は、主に次のものの50%相当額を確保している必要があります。

人件費2ヶ月分
  • 事業に関わる人員について、役員報酬・給与・賞与・法定福利費(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料)・厚生福利費が必要となります。
車両費
  • 購入の場合は取得価格(割賦未払金を含む全額)となり、リースの場合は1年分のリース料を計上します。
燃料費など
  • 燃料費、修繕費、タイヤチューブ費など2か月分を計上します。
土地・建物
  • 購入の場合は取得金額、賃貸の場合は賃借料の1年分をを計上します。
設備・備品・什器・機械器具費
  • 備品や什器等を購入する場合には、取得金額をを計上します。
登録免許税・自動車税・自動車重量税・自動車取得税・保険料(自賠責保険・任意保険)
  • 申請に必要な登録免許税、車両に関わる税金や保険料1年分をを計上します。

必要書類

主に次のような書類が必要となります。

  • 定款
  • 会社の登記簿謄本
  • 直近の決算書の写し
  • 役員全員の履歴書(最終学歴から現在の職歴まで)
  • 営業所が都市計画法令等に抵触しないことの宣誓書
  • 欠格事由に抵触しないことの宣誓書(役員全員)
  • 残高証明書
  • 事業所・駐車場の賃貸契約書の写し ※賃貸の場合
  • 事業所・駐車場の登記簿謄本 ※自己所有の場合
  • 清掃設備の契約書 ※駐車場に清掃設備がない場合、近隣の清掃設備のと契約書
  • 事務所・車庫の図面など(写真、平面図、付近図)
  • 道路幅員証明書
  • 車検証(又は車両のリース契約書、売買契約書など)
  • 車両が5台以上の場合は、運行管理者・整備管理者の資格者証等

一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業)サポート

一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業)許可申請手続きを行政書士が代行いたします。

サービス内容

この許可申請には、人・物・場所についていくつかの要件が定められていますが、当事務所では、事業所や車庫の選定、資金計画の立案まで許可申請に関わる全てをサポートさせていただきます。

サービス内容 一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業)サポート
事前のご相談
申請書類の作成と収集
申請の代行

サービス料金

報酬額 220,000円(税込)~
登録免許税 30,000円

※福祉輸送事業の許可申請の他、認可運賃許可申請を含んだ料金となります。

※報酬額は、ご相談内容を詳細にお聞きした上で正確なお見積り額をお伝えいたします。

一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業)サポートの流れ

当サポートをご利用いただいた場合、申請手続きは主に次のように進みます。

  1. お客さま:事前相談のご予約
  2. 行政書士:お客さまと申請内容の打ち合わせ
  3. 行政書士:申請書類の作成と収集を行います。
  4. 行政書士:押印をいただいた後、管轄行政庁へ申請します。
  5. お客さま:申請受理後、報酬額のお支払い

ひかり行政書士法人の専門サイト

ひかり行政書士法人では、いくつかの許認可について専門サイトを運営しています。

ぜひご参考ください。

専門サイト 許認可.net ひかり行政書士法人 / 京都帰化申請サポート / 滋賀帰化申請サポート / 外国人会社設立サポート / 建設業許可申請サポート / 古物商許可申請サポート / 旅館業許可申請サポート / 宅建業免許申請サポート / 酒類販売業免許申請サポート / 一般社団法人設立ナビ / NPO法人設立サポート / 経営事項審査ナビ / 介護・障害福祉事業 指定申請サポート / 産業廃棄物処理業申請サポート / 旅行業登録ナビ / 探偵業届出ナビ /

許認可申請についてのお問い合わせ

ひかり行政書士法人では、京都府・滋賀県を中心に関西一円での各種許認可手続きに関して、お電話にて代行サービスのお申込み・お問合わせを承っております。

各種許認可申請について、お困りの方はお気軽にご相談ください。

初回相談は無料にて承っております。お電話とメール、ご都合のよい方法でご連絡ください。(ご来所での相談をご希望の方は、お電話・メールでご予約ください)

メールでの相談をご希望の方は、下記フォームより情報を送信ください。24時間承っておりますが、返信にお時間を頂戴する場合がございますので、お急ぎの方はお電話にてご相談ください。

    電話番号 (必須)

    ご希望の連絡先 (必須)

    メールに返信電話に連絡どちらでも可

    直接の相談をご希望の方は日時をご選択ください
    ※カレンダーのアイコンをクリックすると日付が選べます。

    ご相談日時(第一希望)
    希望時間:

    ご相談日時(第二希望)
    希望時間:

    ご相談日時(第三希望)
    希望時間:

    ※先約が入っている場合は、別の日時をご提案させていただく場合がございます。

    ご相談の内容

    ページトップへ戻る