医療法人の設立手続き|法人・会社設立について

医療法人を設立するためには、都道府県の認可を受ける必要があります。(医療法人認可申請)

要件さえ整えれば認可されるものなのですが、認可要件が非常に厳しく、各都道府県ごとに取り扱いに差があります。

また、医療法人認可申請は、都道府県ごとに決められた申請スケジュールに沿って行う必要があるので注意が必要です。

個人医院と医療法人

医師(又は歯科医師)が個人で病院・診療所を経営する場合、資産が相続税の対象となるなど、様々な問題が発生することがあります。

個人経営の病院・診療所を法人化することによって、社会的・法律的に独立した存在となり、設備投資や税金面などの諸問題を解決することが可能となります。

また収入の多い先生には所得税等の税務上のメリットを受けることができ、相続税の対策にもなりえるでしょう。

個人医院 医療法人
手続
  • 診療所開設届出
  • 開設後に各種届出
  • 都道府県の認可+設立登記手続き
  • 設立後に各種届出
施設数
  • 1箇所のみ開設可能
  • 分院の開設が可能
業務範囲
  • 病院・診療所
  • 病院・診療所
  • 介護老人施設など
登記手続き
  • 不要
  • 必要
収入
  • 売上から経費を引いた残りが所得となります。
  • 役員報酬を1年固定で決定できる。

医療法人の区分

医療法人には、制度上や便宜上いくつか種類がありますが、まずは「社団医療法人」と「財団医療法人」に分けることができます。

医療法人のうち、社団たる医療法人が99%を占めています。

社団医療法人と財団医療法人の違いについて、次に簡単にまとめておきます。

社団医療法人
  • 一定の目的をもとに集合した人の団体(社団)を基盤とした医療法人となります。
  • 設立には金銭・不動産・医療機器などの出資または拠出と、2ヶ月以上の運転資金が必要とされています。
  • 病院や診療所等を開設することを目的とした人の集まりで設立される法人となっています。
  • 通常は複数の人から設立のための資金や不動産、医療用機械などの出資を受けて設立されます。
財団医療法人
  • 個人・法人からの寄附で集まった金銭や財産に基づいて設立される医療法人となります。
  • 金銭や財産を寄附した人に対して、金額に応じた財産権は認められていません。
  • 持分が無いため、解散時の財産は国、地方公共団体、他の医療法人のいずれかへ帰属させることとなっています。

一人医師医療法人とは?

昭和60年12月の医療法改正により、医療法人設立のために必要だった常勤の医師(又は歯科医師)3人以上という制約がなくなり、常勤の医師1人以上での医療法人の設立が可能となっています。

法律上は医療法人と設立手続や権利の面での差はありませんが、この制度を便宜上「一人医師医療法人」と呼んでいます。

現在では、医療法人のうちの数多くはこの一人医師医療法人となっています。

医療法人
一人医師医療法人
出資
  • 不動産はできる限り出資する。
  • 土地・建物の両方を出資できないときはどちらか一方を出資。
  • 不動産は出資が望ましいが、賃貸借でもOK。
  • 賃貸借の場合は長期間の契約が必要。
資産
  • 自己資本比率20%以上。
  • 2ヶ月分以上の運転資金が必要。
  • 2ヶ月分以上の運転資金が必要。
出資財産
  • 未収金は出資する。
  • 未収金は出資する。

一人医師医療法人の設立要件

  1. 人的要件
    • 役員の員数は最低、理事(理事長含む)3名+監事1名以上が必要
    • 役員はすべて欠格事由に該当しないこと
    • 理事長は、医師(又は歯科医師)であること
    • 理事、医療法人の職員、取引先企業の役職員などは監事に就任できない
    • 医療法人の役員はMS法人の役員と兼任できない
    • 社員は最低でも3名以上必要
  2. 施設要件
    • 1か所以上の病院・診療所の設置
    • 医療行為に必要な設備等の確保
  3. 資産要件
    • 設立後2カ月以上の運転資金の確保

役員

役員は、理事3人以上・監事1人以上の役員が最低でも必要となります。

また、理事のうち1人を理事長とし、医師(又は歯科医師)の理事のなかから選出する必要があります。

監事については、理事や医療法人の職員、取引先企業の役職員などと兼任することができません。

取引先企業の役職員には、「顧問税理士」や「顧問弁護士」なども含む都道府県がほとんどなので、監事に就任することができません。

監事探しに一苦労ということもあるかと思われます。

社員

社員は、法人設立時には3名以上の確保が必要となります。

社員は社員総会を構成し、拠出した金額にかかわらず、1人につき1議決権をもっています。

また拠出していない方でも社員になることが可能です。

社員総会

社員総会は、法人の最高意思決定機関となります。

株式会社における株主総会と同じような役割と権限を持っている機関となります。

主に次のような法人における重要な事項を決める際には、社員総会の議決が必要となります。

  1. 定款の変更
  2. 予算、決算、剰余金または損失金の処理
  3. 社員の入社及び除名
  4. 解散
  5. 他の医療法人との合併
  6. その他の重要事項

理事会

理事会は、理事によって構成される機関となります。

業務内容を取り行うための意思決定、業務執行を行い、さらに組織の運営上必要なさまざまな業務執行を行うことになります。

  1. 社員総会に付議する事項
  2. その他理事長が付議する事項

設立認可申請の流れ

設立認可申請のおおよその流れは次のとおりとなります。

都道府県ごとに決められたスケジュールで申請を進める必要があります。

  1. 設立事前協議(仮受付)
  2. 医療法人設立説明会(ヒアリングなど)
  3. 定款の作成
  4. 設立総会の開催
  5. 設立認可申請書の作成・提出(本申請)
  6. 設立認可申請書の審査
  7. 設立認可証の発行
  8. 設立登記申請書類の作成
  9. 設立登記

次に京都府と滋賀県を例に挙げておきますね。

京都府での申請スケジュール

必要な手続き
1.エントリー 1月 4月 7月 10月
2.ヒアリング 2月 5月 8月 11月
3.申請書の提出 3月 6月 9月 12月

京都府では認可申請の受付時期は年4回に指定されています。

  1. ①②③④のいずれかの時期に、エントリーを行います。エントリーの際には、設立予定の医療法人の「概要書」「ヒアリング日程調整票」を提出します。
  2. ヒアリングは該当月の上旬と中旬に2回行われます。
  3. 申請書は該当月の1日に提出します。医療審議会で諮問され、認可証が下旬に発行されます。

申請書の提出を行った月の下旬に認可証が発行されますので、その翌月の1日以降に設立登記を行います。

滋賀県での申請スケジュール

滋賀県では、認可申請を年2回に分けて受け付けています。

1回目 2回目
  1. 事前協議(仮申請)受付締切:5月下旬頃
  2. 本申請受付締切:6月下旬頃
  3. 医療法人部会の開催:8月下旬頃
  4. 認可証の交付:9月上~中旬頃
  5. 開設時期の目安:10~11月頃
  1. 事前協議(仮申請)受付締切:11月上旬頃
  2. 本申請受付締切:12月上旬頃
  3. 医療法人部会の開催 : 2月上旬頃
  4. 認可証の交付 : 2月中~下旬頃
  5. 開設時期の目安:4~5月頃

設立後の各種届出について

医療法人設立後は、管轄の保健所や厚生局などに、医療法人の医療従事内容によって必要となる各種届出を行うことになります。

次に主な届出関係を記載しておきますね。

  1. 診療所開設許可申請
  2. X線設置届
  3. 診療所開設届
  4. 保健医療機関指定申請
  5. 麻薬施用者免許申請
  6. 難病医療費助成指定医(難病指定医(協力難病指定医)指定申請
  7. 指定医療機関指定申請
  8. 労災指定医療機関等登録申請
  9. 被爆者一般疾病医療機関指定申請  一般疾病医療
  10. 生活保護法指定医療機関指定申請 生活保護
  11. 夜間・早朝等加算届
  12. 時間外対応加算届
  13. 明細書発行体制等加算届
  14. 機能強化加算届
  15. 外来後発医薬品使用体制加算届
  16. 胃がん検診及び胃がんリスク検診精密検査実施医療機関申請
  17. 医師届出票
  18. 保健師・助産師・看護師・准看護師業務従事者届
  19. 通行禁止除外指定者標章交付申請

医療法人設立認可申請サポート

お客様から事前のヒヤリングを行い、入念な打ち合わせの後、迅速・安心・丁寧に医療法人設立代行サービスを提供いたします。

サポートの内容

医療法人設立について、都道府県との事前協議の段階から認可申請までをひかり行政書士法人がサポートさせていただきます。

サービスの内容 医療法人設立認可申請サポート
事前のご相談
都道府県との事前協議
申請書、添付書類の作成と収集
設立認可申請
設立登記申請 〇※登記は司法書士が行います。

サービス料金

医療法人設立認可申請のサポート料金となります。

お客様から事前のヒヤリングを行い、入念な打ち合わせの後、当事務所のサービスを提供いたします。

医療法人設立認可申請サポート 605,000円~(税込)

※認可後の司法書士が行う設立登記申請は上記サービス料金に含まれています。

※設立後の各種届出関係については、別途お見積もりいたします。

ひかり行政書士法人の専門サイト

ひかり行政書士法人では、いくつかの許認可について専門サイトを運営しています。

ぜひご参考ください。

専門サイト 許認可.net ひかり行政書士法人 / 京都帰化申請サポート / 滋賀帰化申請サポート / 外国人会社設立サポート / 建設業許可申請サポート / 古物商許可申請サポート / 旅館業許可申請サポート / 宅建業免許申請サポート / 酒類販売業免許申請サポート / 一般社団法人設立ナビ / NPO法人設立サポート / 経営事項審査ナビ / 介護・障害福祉事業 指定申請サポート / 産業廃棄物処理業申請サポート / 旅行業登録ナビ / 探偵業届出ナビ /

許認可申請についてのお問い合わせ

ひかり行政書士法人では、京都府・滋賀県を中心に関西一円での各種許認可手続きに関して、お電話にて代行サービスのお申込み・お問合わせを承っております。

各種許認可申請について、お困りの方はお気軽にご相談ください。

初回相談は無料にて承っております。お電話とメール、ご都合のよい方法でご連絡ください。(ご来所での相談をご希望の方は、お電話・メールでご予約ください)

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